田蓑神社 | 住吉大神を祀る佃の氏神様

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参拝しやすい環境と地域に根ざした活動

大阪市西淀川区佃1丁目18番14号に鎮座する田蓑神社は、阪神本線「千船」駅から徒歩約15分、JR西日本東西線「御幣島」駅から徒歩約30分という便利な場所にあります。境内には駐車場2台分が用意されており、車での参拝にも対応しています。営業時間の設定はなく、早朝から深夜まで自由に参拝できる開放的な環境が整えられています。祈祷サービスについては事前予約制を採用しており、電話番号06-6471-5416、FAX番号06-6471-5059で受け付けています。このように、地域住民や遠方からの参拝者にとって訪れやすい体制を整えることで、幅広い方々に信頼される祈りの場を提供しています。

年間を通じて執り行われる祭礼は、地域コミュニティの結束を強める重要な役割を果たしています。田蓑神社最大の祭では、田蓑神社氏子青年団が先導役を務め、地域の子供たちが「こどもふとん太鼓」として大小各1台のふとん太鼓を佃地区内に巡行させ、要所で伝統の大阪締めを行います。祭当日には拝殿で巫女が御神楽を奉納し、境内周辺には10軒余りの夜店が並んで賑わいを見せます。田蓑和楽会の活動を通じて、伝統を守り地域を結ぶ取り組みが続けられており、世代を超えた交流が実現されています。毎年5月17日には東照宮祭も営まれ、徳川家康公を祀る東照宮での祭礼が佃漁民と徳川家の深い縁を伝えています。

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住吉三神と神功皇后を祀る由緒

田蓑神社に祀られているのは、底筒之男命、中筒之男命、表筒之男命という住吉三神と神功皇后です。創建は貞観11年(869年)9月15日と伝えられており、1150年以上の長い歴史を持つ古社です。創建の由来は、神功皇后が三韓征伐からの帰途にこの地へ立ち寄られた際、島の海士が白魚を献上したという出来事に始まります。その数百年後、この地を開拓する際に海士が出現し、「神功皇后の御船の鬼板を数百年守り伝えてきた。この神宝を安置して住吉大明神をお奉りせよ」と告げたことから、田蓑神社が創建されました。この御船の鬼板は田蓑神社の神宝として現在も大切に奉られています。

社号の変遷も田蓑神社の歴史を物語っています。創建当初は田蓑嶋姫神社という社号で呼ばれていましたが、寛保元年(1741年)に住吉神社へと改称されました。その後、徳川家康公との縁により、明治元年(1868年)に田蓑神社という現在の社名となっています。神崎川と左門殿川の分岐点南方という立地は、かつて難波八十島を構成していた田蓑島にあたり、平安時代には天皇の即位儀礼である八十島祭の祭場であったと推定されています。住吉大神は海の神であり、伊弉諾尊の禊祓の際に生まれた国生みの神との関わりも深く、古代より信仰の重要な拠点として機能してきました。

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徳川家康公との出会いと江戸への展開

天正14年(1586年)、徳川家康公が住吉大社を参拝した後、兵庫県川西市の多田神社へ向かう道中で田蓑嶋に立ち寄りました。この時、当地の漁民が神崎川の渡船を務めたことが、田蓑神社と徳川家の深い関係の始まりとなりました。家康公はこの功績を称え、漁民たちに全国での漁業権と税の免除という特権を与えました。さらに「漁業も大事だが、人はまず田で働け」との命により、村名を田蓑から佃へと改め、田蓑の名を残すため神社名を住吉神社から田蓑神社へと変更しました。佃村の漁民は農業に貢納の義務を負う一方で漁業に納税の義務がなく、周辺の村落より裕福な暮らしを送るようになりました。

天正18年(1590年)8月の家康公関東下向では、佃の漁夫33人と田蓑神社宮司平岡正太夫の弟権太夫好次が分神霊を奉じて江戸へ同行しました。寛永年間に幕府より鉄砲洲向かいの干潟を拝領した彼らは、埋め立てによる築島を行い、故郷にちなんで佃島と命名しました。正保3年(1646年)6月29日には住吉三神、神功皇后、徳川家康の御神霊を奉遷祭祀し、佃住吉神社を創建しています。寛永8年(1631年)には田蓑神社境内に東照宮が建立され、徳川家康公が祀られることとなりました。大坂の役では佃漁民が徳川方に味方し、武器運搬や船・食料の調達支援を行い、徳川家への忠誠を示しました。

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歴史を伝える文化財と現代への継承

田蓑神社境内には、歴史的価値の高い文化財が数多く残されています。本殿両脇に安置された狛犬は元禄15年(1702年)に奉献されたもので、大阪府内最古の石造浪速狛犬として知られています。阿形の第一台座には「壬元禄十五年」、吽形の第一台座には「午正月十七日」という奉献年が刻まれています。花崗岩製で像高約50cm、やや釣り上がった太い眉の下に棗型の目を持ち、阿吽ともに垂れ耳で吽形には短い角があります。尾は楕円形の根元に毛房が7本立つという特徴的な形状で、江戸時代前期に突然完成形で大坂に出現した謎多き狛犬として研究者の関心を集めてきました。境内の東照宮前には、この元禄狛犬を模した昭和2年(1927年)建立の狛犬も置かれています。

「佃漁民ゆかりの地」碑は、田蓑神社と徳川家康公、そして東京都中央区佃との歴史的な縁を顕彰する重要な史跡です。平成18年(2006年)には未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選に大阪府で唯一選定され、その歴史的価値が公式に認められました。大阪市西淀川区佃と東京都中央区佃の両地域では、1965年から佃小学校同士が姉妹校として相互訪問による交歓会を継続しており、江戸時代から続く絆が現代の交流として受け継がれています。平成7年(1995年)1月17日の阪神・淡路大震災では、田蓑神社は社殿が傾き社務所が全壊するなど甚大な被害を受けましたが、佃地区の人々の献身的な努力により復興を遂げ、現在も変わらず大阪市西淀川区佃の氏神様として、地域の人々の信仰を集め続けています。

西淀川区 神社

ビジネス名
田蓑神社
住所
〒555-0001
大阪府大阪市西淀川区佃1丁目18−14
アクセス
阪神本線「千船」駅より徒歩約15分
JR西日本東西線「御幣島」駅より徒歩約30分
TEL
06-6471-5416
FAX
06-6471-5059
営業時間
いつでも参拝可能
定休日
URL
https://tamino-jinja.com